北鎌倉駅から徒歩圏内の実家の売却を考えているのですが需要はあるのでしょうか?
あります。むしろ希少性を武器にできるエリアです
では北鎌倉駅周辺エリアの特徴や実際の相場感、具体的な成約事例を交えながら詳しく解説していきます。
北鎌倉エリアは2つに分かれる
弊社では鎌倉市内を5つのエリアに分けて捉えていますが、北鎌倉はさらに「北鎌倉駅周辺エリア」と「今泉エリア」の2つに分かれます。北鎌倉駅周辺エリアは、山ノ内(+台5丁目)といった地域が該当します。

2つのエリアをまとめると以下の通りです。
◯北鎌倉駅周辺エリア
・駅から徒歩圏内(徒歩15分ほどの距離)
・寺社と緑に囲まれた、情緒を重視するエリア
・山と山の間に広がる谷戸(やと)という独特の地形
・買い物の利便性は他エリアに比べるとやや低め
◯今泉エリア
・大船駅からバスまたは車移動が基本
・土地価格のコストパフォーマンスは鎌倉随一
・高度経済成長期、大船・北鎌倉のベッドタウンとして発展してきた歴史を持つ
そこで、今回のご質問は、北鎌倉駅周辺エリアにご実家がおありかと思いますので、北鎌倉駅周辺エリアに焦点を絞って解説していきます。
そもそもなぜ北鎌倉に需要があるのか
北鎌倉は買い物などは不便なエリアにはなりますが、電車で1駅行けば大船駅(または鎌倉駅)に出られます。そのため、日常の買い物は大船で済ませ(基本的に北鎌倉にお住まいの方は大船で買い物されることが多いです)、自宅では徹底的に静けさを享受するという割り切りができる方に選ばれ続けているエリアです。
静けさを求める、いわば由緒正しき層に選ばれる土地だからこそ、経済的に余裕のある購入検討者が多いのも特徴です。
在庫の少なさも需要の裏付けです。現在(2026年8月7日時点)、レインズに掲載されている山ノ内エリアの土地在庫はわずか1件。戸建でも2件のみです。山ノ内の世帯数が1,716世帯であることを踏まえると、かなり早いペースで新陳代謝が起きているといえます。
北鎌倉駅周辺の相場感

以下の条件を満たす土地であれば、北鎌倉周辺の平均相場は約4,500万円です。
・土地(更地)
・40坪(約132.23㎡)
・駅徒歩10分
・接道あり
・災害エリアではない
・旗竿地ではない
ただし、これはあくまで平均的な条件の土地の話になります。北鎌倉エリアは山が多く、災害区域に該当する土地や、接道していない土地、傾斜地なども珍しくありません。だからこそ条件の良い土地は希少で資産価値が落ちにくく、逆に多少条件が緩い土地は相場よりお得に狙えるとして、そうした物件を待っている買主様もいらっしゃいます。
北鎌倉のリアルな価格帯
北鎌倉周辺で実際に直近で成約された不動産の具体例を3つご紹介いたします。
事例①:成約価格5880万円(駅徒歩3分・約45坪)

- 特徴: 駅から目と鼻の先の好立地。
- 備考: 道路幅員が狭いためセットバック(敷地後退)が約20㎡必要となり、実際の有効敷地面積は約150㎡。6,000万円前後の価格帯になると、単独年収1,500万〜2,000万円クラスの高所得層や富裕層がターゲットとなります。
事例②:成約価格4380万円(駅徒歩5分・約35坪)

- 特徴: セットバック控除後の有効面積約117㎡。
- 備考: 満額近くで早期成約。「早めに売却したい」か「時間をかけて価値のわかる人に高く売りたい」か、売主様の事情に合わせて適切な価格設定を行う好例です。
事例③:成約価格2780万円(駅徒歩10分・私道・古家あり)

- 特徴: 道が狭く私道負担あり。古い建物や浄化槽が残っている状態。
- 備考: 新築を建てる際は浄化槽の撤去費用(数十万円〜)や地盤対策が必要となりますが、価格を抑えて北鎌倉に住みたい層に響く条件設定です。
資金計画から見る「買える層」
土地を4,000万円で取得し、建物を仮に3,000万円で建設した場合、合計7,000万円。住宅ローンを変動金利で35年借りると、月々の返済額はおよそ20万円になります。
30代サラリーマンの平均年収は450万円、手取り月収はおよそ30万円。そこから毎月20万円を返済に充てるのは、現在の日本の環境においては家計的にかなり厳しい水準です。理想とされる返済比率(手取りの20〜25%以内)を大きく超えてしまうため、共働きでなければ現実的に手が出しにくい価格帯といえます。
一方で、より人気の高い場所では6,000万円台の成約もざらにあり、こうした価格帯は富裕層に強く刺さります。北鎌倉エリアは場所や条件によって価格帯の幅が広いため、ご自身の土地がどの層に向いているのかを、価格を決める段階でイメージしておくことが大切です。
売却前に知っておきたい注意点
北鎌倉には限らない話にはなりますが、こうした古い街並みのエリアで土地を売却する際は、次のようなポイントに事前の目配りが必要です。
- セットバック(接道義務):1950年に建築基準法が制定されて以降、新築時には道路の中心線から2m後退する必要があります。それ以前に建てられた住宅の敷地は、この基準を満たしていないことが多くあります。
- 地中埋設物:古家を解体して更地にする際、過去の建物基礎やコンクリート塊、井戸、古い配管などが地中に残っていると、買主の建築工事時に撤去費用を請求されることがあります。
- 越境物:隣家の擁壁やブロック塀の基礎が自分の土地に入り込んでいる、あるいはその逆のケースでは、引き渡し前に覚書などで権利関係を整理しておく必要があります。
- 境界確定測量:セットバック部分を明確にするための確定測量には、隣地所有者だけでなく鎌倉市など自治体との立ち会いも必要となり、時間がかかります。
これらは、買主様が「思い通りの家を建てられない」という事態や、契約不適合責任のリスクを避けるためにも、売主様に事前に把握しておいていただきたいポイントです。
まとめ
北鎌倉は希少性で勝負できるエリアです。たとえ多少条件が悪くても、静けさやロケーションを重視する買主様へピンポイントで魅力を届けることができれば、しっかりと売却につながります。
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