鎌倉日和のお散歩ブログ
鎌倉日和【米経済のゆくえ】
先週、アメリカで発表された『ベージュブック』というレポートによると、経済活動の加速とワクチン接種の加速によって見通しは前回よりも楽観的になったことが示されています。
ベージュブックの主な内容
CPIは2012年8月以来、小売売上高が過去2番目の上昇。
住宅着工は2006年以来の高水準。
フィラデルフィア連銀製造業は48年ぶり、NY連銀製造業は17年10月以来の高水準。
ゴールドマンサックスをはじめとした金融機関の決算は概ね良好。
新規失業保険申請件数が昨年3月以来の最低水準にまで改善。
このような経済統計に対する懸念点としては、、、
・製造業におけるサプライチェーンの混乱
・住宅における価格上昇、供給ひっ迫
・低賃金労働者の雇用における課題、労働者不足など
上のような問題点はありますが、概ね米国経済は回復に向かっていることがうかがえる内容でした。
これだけ強い経済統計が出れば、当然、長期金利の上昇と利上げの議論が出てきてもおかしくないところですが、パウエル議長はFEDからガイダンスされている通り、2022年末までに利上げする可能性は極めて低い、との発言をしています。
失業保険の新規申請者数は減少傾向が続いたことは明らかですが、州のプログラムから外れた労働者層における雇用回復がいまだ遅れていて、一部は失業期間の長期化を余儀なくされており、とても"順調とは言い難い"といった状況もあるようです。
パウエルFRB議長は完全雇用の条件として、雇用統計のヘッドラインで失業率が下がったなどの単純な条件でなく、継続受給を受けている労働者層も含むより多くの人々が労働市場に参加した上での失業率の低下でなくてはならず、さらに、労働参加率の上昇や、失業期間の長期化の是正などの環境が整った状態をもって、完全雇用とするとしています。
そういう意味では、やはり、2022年までは現行のままの政策が持続されるか?
今後のワクチン接種の速度とその効果によって、金融政策が大きく影響されそうですね。