鎌倉日和のお散歩ブログ
鎌倉日和【案山子】
鎌倉中央公園の中にはいくつかの田んぼがあるのですが、その田んぼに案山子が立てられています。
その田んぼに、昔懐かしい『案山子』が立っています。たぶん、スズメの食害には何の効果もないんだろうな・・と思えるのですが、実際のところはどうなのでしょうか。
『案山子』というと、さだまさしの名曲『案山子』を思い出します。この歌は、故郷を出て都会に行った家族のことを心配する手紙という設定になっています。
そして、『故郷を離れた子供を想って書いた手紙』で有名なのが、野口英世の母、野口シカさんの手紙ですね。(なんだか連想ゲームのようになっていますが・・)
すでに有名な研究者になっていた野口英世に、故郷の猪苗代から書いた手紙には心が揺さぶられる思いがします。
野口英世が小さいころに負ったやけどを、シカさんは自分の責任だと深く悔やんでいたそうです。そのため、一生懸命に働いて働いて、息子を医学の道に進ませたのです。そして、世界的に有名になった野口英世にあてた手紙は・・・
『お前の出世には、皆たまげました。わたくしも喜んでをりまする。中田の観音様に、毎年、夜籠りをいたしました。勉強なんぼでも切りがない。烏帽子(烏帽子村から金の催促)には困りをりますが、お前が来たならば、申し訳ができましょう。春になると、みな北海道に行つてしまひます。わたしも、心細くありまする。どうか早く来てくだされ。金を貰うたこと、誰にも聞かせません。それを聞かせると、みな飲まれてしまひます。早く来てくだされ。早く来てくだされ。早く来てくだされ。早く来てくだされ。一生の頼みでありまする。西さ向いては拝み、東さ向いては拝みしてをります。北さ向いては拝みをります。南さ向いては拝んでをりまする。一日には、 塩断ちをしてをります。栄昌様(天台宗の修験者)に一日には拝んでもろてをりまする。なにを忘れても、これ忘れません。写真を見ると、戴いてをりまする。早く来てくだされ。いつ来ると教へてくだされ。これの返事待ちてをりまする。寝ても眠られません。』
上の文章は現代語訳ですが、ぜひ、下の原文も併せて読んでみてください。
『おまイの ○ しせにわ ○ みなたまけました ○ わたく
しもよろこんでをりまする ○ なかた
のかんのんさまに ○ さまにねん ○ よこもりを ○ い
たしました ○ べん京なぼでも ○ きりかない
○ いぼし ○ ほわこまりをりますか ○ おまい
か ○ きたならば ○ もしわけかてきま
しよ ○ はるになるト ○ みなほかいドに
○ いてしまいます ○ わたしも ○ こころ
ぼそくありまする ○ ドかはやく
きてくだされ ○ かねを ○ もろた ○ こトた
れにもきかせません ○ それをきかせるト
みなのまれて ○ しまいます ○ はやくき
てくたされ ○ はやくきてくたされ
はやくきくたされ ○ はやくきて
くたされ ○
いしよのたのみて ○ ありまする
にしさむいてわ ○ おかみひかしさむ
いてわおかみ ○ しております ○ き
たさむいてわおかみおります ○
みなみたむいてわおかんておりま
する ○ ついたちにわしをたちをし
ております ○ ゐ少さまに ○ついた
ちにわおかんてもろております
る○なにおわすれても ○ これわす
れません ○ さしんおみるト ○ いただいております
る ○ はやくきてくたされ ○ いつくるトおせて
くたされ ○ これのへんちちまちてをり
まする ○ ねてもねむられません