鎌倉日和のお散歩ブログ
鎌倉日和の不動産用語解説 【敷金】その3
前回のブログでは、『敷金』返還の根拠となる『原状回復の状態』について、
何が大家さんの負担で、何が借主様の負担か?
という事を、具体的に見てみました。
結果として・・・・
明らかな過失や故意による故障・傷でなければ、借主様は負担をしなくてもいいという
ことも分かりました。
ところが、住まいの状況にかかわらず、退去時にクリーニング代を支払う、というケースもあるんです。
■入居時に『特約』があれば、借主様負担になる場合も・・
これまでお話ししたガイドラインによると、通常は借主様が責任を負担しない経年変化や通常損耗でも
特約を設ければ、クリーニング費用を借主様の責任とすることは可能という事なのです。
ただし、そうした特約が有効となるには3つの要件があります
①特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
②借主が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識していること
③借主が特約による義務負担の意思表示をしていること
この3つを満たすことが必要とされています。
ハウスクリーニング費用として妥当な範囲は?
裁判所の判例では、
家賃の半額以下だから相応な範囲内であるとしている判例
m²単価1,000円だから相応な範囲内であるとしている判例など、多くの判例があります。
一般的なマンションであれば 756円/m²~1,080円/m²前後がハウスクリーニング費用として
相応な範囲と解釈されると思われます。
※入居者が最低限行うべき清掃をしていない場合は、1,300円/m²を相応な範囲と認めた判例もあります。
※15m²程度のワンルームマンションなどでは、m²単価1,000円では安すぎて請け負う業者がいないため
家賃の半額以下であれば相応な範囲内と認められています。
それでは、次回は特約がないケースについて、勉強していきましょう