鎌倉日和のお散歩ブログ
鎌倉日和【経済のゆくえ_11月】
インフレと賃金上業
米国の10月消費者物価指数は前年比+7.7%(前月+8.2%)と鈍化してきましたが、英国は+11.1%(前月+10.1%)とさらにインフレ率が上昇しています。
日本の10月の全国消費者物価指数は、前年比+3.6%で、前月(+3.0%)および予想(+3.5%)を上回りました。
これは、1982年2月(+3.6%)以来40年8カ月ぶりの高水準です。
円安を背景に輸入コストが上昇、原材料費などの価格転嫁が進む中、生鮮食品を除く食料は前年同月比+5.9%と、上昇寄与度はエネルギーを上回っています。また、サービスは、旅行支援の政策効果に加え、外食費の上昇、携帯電話値下げによる押し下げ効果の剥落などを背景に上昇しています。
先日、都内でビジネスホテルに宿泊しようと思って旅行サイトを見たのですが、どのホテルも軒並み昨年と比べて大幅に上昇していて驚きました。
このように、足元でコストプッシュインフレが進む中、現状の賃金水準で利上げをすれば経済が持たないのは明らかです。やはり、個人消費が強い米国と同様に、利上げをするというのはちょっと難しいように思えます。ということは、やはり黒田総裁がおっしゃるように賃金の上昇が重要ということになりますが
ただし、その企業は、社会保障コスト負担の増大に加え、法的に簡単にレイオフすることもできないとなれば、なかなか賃上げに動くことは難しいでしょう。そもそも、企業としては金融緩和が続くのであれば、企業全体としては賃上げしない方が得なので、不確実性のある経済環境でそう簡単に賃上げという判断に傾くとも思えません。
となると、『政府が賃上げ対策に手をつけるべき』という意見が多くなってきます。もちろん、政府がやるべき『企業の競争力強化策』も必要なのでしょうが、それ以前に企業がやるべきことも結構あると思います。
要するにお客様が求めるモノやサービスを徹底的に顧客目線で追及するという当たり前のことを企業のトップから従業員の全員が実行すれば、まだまだ成長の芽はたくさん残っていると思います。