鎌倉日和のお散歩ブログ
2018/06/27
鎌倉日和【生きがいについて】
私が好きなテレビ番組にNHK教育の『100分de名著』という番組があるのですが、・・・・
数カ月前に放映していた『生きがいについて』(筆者:神谷美恵子)のシリーズについて、あるお客様にこのお話をさせて頂いたところ、実はこのお客様がこのテレビ番組で解説をしていた方のお知り合いだった!ということから、そのテキストを頂いたのです。
すでに、テレビの『生きがいについて』は、放送が終わっていましたが、頂いた本を開いてもう一度読み返しています。
筆者の神谷さんは、ハンセン病と戦う病院施設で医師として働いていました。ハンセン病という重い病にかかって世間から隔離され、身体的にも精神的にも何の希望も持ちえないと思っている患者さんの中に生きがい感をもっている人たちに出会います。この経験をベースに『生きがいについて』を書かれたそうです。
世の中には、愛する人を失った悲しさや大病の苦しさで、毎日生きていく事自体が辛くて、辛くてどうしようもない、という人がいます。こういう思いに打ちのめされている人に必要なのは単なる慰めや同情ではない。こういう人たちは、自分の存在が誰かのために、何かのために必要なのだということを強く感じられるものを求めてあえいでいる、と神谷さんは言っています。
『結局、人間のほんとうの幸福を知っているひとは、世にときめいているひとや、いわゆる幸福な人ではない。かえって不幸なひと、悩んでいるひと、貧しいひとのほうが、人間らしい、そぼくな心を持ち、人間の持ちうる、朽ちぬよろこびを知っていることが多いのだ・・・そうです。